施政方針

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ページ番号1001251  更新日 令和7年4月19日

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令和7年度の市の施政方針(全文)を掲載しています。

令和7年3月議会

 2月26日(水曜日)、令和7年第1回市議会定例会で、伊藤辰矢市長が施政方針を述べました。

 

 議員の皆様におかれましては、日頃から市政の運営に対しまして、ご支援、ご鞭撻を賜り、厚く御礼申し上げます。

 本日ここに、令和7年度の施政の方針を申し上げ、市民の皆様、並びに議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 さて、常滑市は、昨年4月に市制施行70周年を迎え、「市民の『わ』でつくる魅力創造都市・とこなめ」をテーマに、今年度一年をかけて記念事業を実施してまいりました。

・第4回とこなめ山車まつり

・国内外のアーティストとの交流事業「TOUCH!TOKONAME」

・夢を叶えるお笑いステージ

・京都橘高校吹奏楽部の記念パレードとスペシャルコンサート

・大相撲常滑場所

・学校給食レストラン

・NHK公開収録「民謡魂」   など、

様々なイベントを通じて地域や人の絆を強く結び、未来の常滑を創り上げる大きな力になりました。関わってくださった全ての皆様に心から感謝申し上げます。

 私は、この市制70周年のさまざまな事業を通して、改めて常滑市の歴史や文化といった魅力、そして何より市民の皆様のふるさと「常滑」への思いやエネルギーを強く感じました。

 市長として、このまちの新しい歴史をつくる舵取りを担う責任の重さに、あらためて身が引き締まるとともに、これから、市民の皆様とともに明るく、もっと元気なまちを創り上げる決意をしたところでございます。

 現在、市を取り巻く状況に目を向けますと、子育て環境の充実や、防災対策、観光振興、公共交通の充実など、まだまだ取り組むべき課題が多くございます。

 子どもからお年寄りまで、すべての世代が安心して暮らせる、夢や希望を持って生き生きと暮らせる、幸せを実感できる、そして多くの来訪者にまた訪れたいと思ってもらえる、そんなまちを目指し、市政運営に取り組んでまいります。

 令和6年度は、70周年記念事業以外にも

・「市公式防災アプリ(とこなめ防災)」の運用開始

・「常滑市給食センター」や「常滑駅東駐輪場」の整備

・「ツーリズムEXPOジャパン」への市単独出展

・5年ぶりの中国宜興市訪問

などを実施してまいりました。

 昨今の夏の猛暑により、学校現場や市民の方々から多くの声が寄せられていた、小中学校体育館へのエアコン設置については、1月の臨時議会で建設費をお認めいただきましたので、来月から工事を開始し、夏に間に合うよう整備を進めてまいります。

 また、「宿泊税」につきましては、令和6年3月議会で条例制定をご可決いただき、6月に総務大臣同意を経て、今年1月6日から正式に導入いたしました。

 今後はこの宿泊税を活用し、受入環境の整備や本市の魅力向上を図ることで、来訪者の満足度向上や、さらなる来訪者の増加に繋げてまいります。

 そして、平成30年から協議を進めてまいりました常滑市民病院と半田市立半田病院との経営統合につきましては、いよいよ4月1日に、地方独立行政法人「知多半島総合医療機構」としてスタートします。

 常滑市民病院は「知多半島りんくう病院」に、半田市立半田病院は「知多半島総合医療センター」に名称が変わり、両病院が連携して地域の医療提供体制の強化を図ってまいります。

 地域の皆様のニーズに合わせた切れ目のない医療を提供できるよう、そしてその機能が継続的に維持されるよう、市といたしましても、その環境づくりのために尽力してまいります。

 令和7年度は、「第6次常滑市総合計画 後期基本計画」の初年度にあたるため、当初予算については、計画に位置付けられた施策に基づき予算を編成いたしました。

 市の財政状況は、近年の物価高騰への対応や人件費、社会保障関係費の一層の増加に加え、自然災害への対応などにより引き続き厳しい状況が見込まれます。

 そのため、予算編成に際しては、持続可能な行政運営基盤を構築するため、選択と集中により真に必要な施策・事業に、限られた財源を重点的かつ効率的に配分し、実効性の向上を図ることを基本的な方針としています。

 それでは、令和7年度当初予算に位置付けて取り組んでまいります主な事業について、第6次総合計画に掲げた「7つの基本目標」に沿ってご説明申し上げます。

 最初に、基本目標の1つ目「子どもが健やかに育ち、輝けるまち」を実現するための主な事業を申し上げます。

 子育て世帯の経済的負担の軽減を図るため、県の制度を活用しながら第2子以降の保育料を無料化または軽減します。

 食材価格の急激な高騰の影響により、令和6年4月に改定した給食費では現状の献立内容の維持が困難となっています。

 栄養バランスの取れた給食を提供するために、国の交付金を活用して、小中学校1食あたり20円を市が負担します。

 次に、基本目標の2つ目「創造性や豊かな心を育むまち」を実現するための主な事業を申し上げます。

 中学生を対象に実施している学習支援事業「地域未来塾」について、経済的な課題を抱える家庭の生徒にも学習機会を確保し、学力に応じた柔軟な支援を行います。

 不登校及びクラスに入りづらい不登校傾向の児童生徒が安心して過ごせる「居場所」として、新たに小学校2校に校内サポートルームを開設するほか、教育支援センター「スペースばる~ん」と校内サポートルームの連携を強化するなど、支援体制の充実を図ります。

 いじめ、虐待、家庭環境、貧困、発達障害など様々な課題を抱える児童、生徒、保護者、一人ひとりのニーズに対して適切に対応するため、スクールソーシャルワーカー、学校生活支援員、学校介助員をそれぞれ増員します。

 図書館・文化施設のあり方を検討した結果、単独で整備する方針とした図書館について、市民ワークショップなどを実施し、図書館基本構想を策定します。

 2026年(令和8年)に愛知県で開催されるアジア・アジアパラ競技大会に向け、機運醸成を図ります。

 国の重要有形民俗文化財に指定されており、また、市の代表的な観光名所である「登窯」は、劣化が激しく、耐震性にも不安があることから、保存検討に必要な調査を実施します。

 次に、基本目標の3つ目「共に生き、支え合い、安心して暮らせるまち」を実現するための主な事業を申し上げます。

 帯状疱疹ワクチンの予防接種について、令和7年度から法律に基づいて行う定期接種になるため、接種体制の整備を進めてまいります。

 心身障害者の生活の安定及び福祉のさらなる増進を図るため、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の所持者へ支給している心身障害者手当を増額します。

 地域共生社会の実現に向け、一つの支援機関だけでは解決に導くことが難しい、複雑で、複合的な課題を持つ人や家族を支援する体制を整備するため、令和8年度からの「重層的支援体制整備事業」の本格実施に向けた準備を進めてまいります。

 次に、基本目標の4つ目「安全な暮らしを守るまち」を実現するための主な事業を申し上げます。

 能登半島地震の教訓を踏まえ、主要な災害用備蓄品である飲料水、非常食、携帯トイレの目標備蓄数を増やし、計画的に備蓄を進めます。

 水道施設の地震防災対策として、災害時に優先して給水を確保する必要のある重要給水施設までの水道管路の耐震化を進めます。

 また、市民交流センターなどに応急給水栓を設置します。

 火災の現場において、情報を集め、消火の作戦を立て、他の車両に指示を与える指揮車が、経年劣化による不具合が発生していることから、国の交付金やふるさとづくり事業基金を活用し、更新整備します。

 消防団員の減少を食い止めるため、出動報酬を国の基準に準じた金額に改めるなど活動環境の改善に取り組みます。

 資源物を搬入する人の利便性向上を図るため、ウィンボとこなめ北東部に資源回収ステーションを増設し、受付時間を一部拡充します。

 次に、基本目標の5つ目「快適に過ごせる生活基盤が整備されたまち」を実現するための主な事業を申し上げます。

 市内の公共交通については、充実を図るため、財政状況を踏まえつつ、コミュニティバスグルーンの運賃有料化や交通空白地対策などの検討を進めます。

 また、知多半島りんくう病院と経営統合し、4月に開院する知多半島総合医療センターへの交通手段を確保するため、通院用シャトルバスを試験運行します。

 令和4年10月からボートレースとこなめがファンバスとして運行しておりました「グルーン」につきましては、日常生活を支える生活圏交通として必要な移動を確保し、「まち」の活性化、魅力や価値の向上を図るため、4月から、所管を市民協働課に移し、ボートレースファンバス機能を併せ持ち、市の観光促進にも寄与するコミュニティバスとして運行します。

 大曽公園につきましては、施設の老朽化対策のみでなく、新たな魅力づくりのため、今年度策定の「大曽公園再整備基本計画」に基づき、公園全体の再整備基本設計を実施します。

 その他の都市公園につきましては、令和5年度に策定した「公園施設長寿命化計画」に基づき、順次、公園の遊具、設備の改修を進めてまいります。

 小脇公園につきましては、魅力向上を図るため、森林環境譲与税を活用して、老朽化している喫茶室の木質化改修、喫茶室に隣接するテラスの拡張及びパーゴラの設置などを実施します。

 健全かつ安定的な水道事業運営を持続するため、県水道料金の値上げに合わせて、4月から水道料金の値上げを行います。

 また、榎戸雨水ポンプ場の改築、矢田地区・前山地区の集落排水施設を更新します。

 次に、基本目標の6つ目「魅力にあふれ、人が集い、進化するまち」を実現するための主な事業を申し上げます。

 「観光」を本市の新たな成長基幹産業と捉え、より積極的に推進するために、宿泊税を活用し、来訪者の受け入れ環境の整備や、情報発信、体験コンテンツを活用した周遊促進、国内外への観光プロモーション、MICE推進など、来訪者の満足度向上・増加促進に向けて取り組んでまいります。

具体的には、

・空港島と市街地を結ぶ「無料シャトルバス」の毎日運行化の試行

・多言語観光案内サインの設置

・人気コンテンツを活用した周遊施策

・アイチスカイエキスポで開催されるツーリズムEXPOへの出展

・ツーリズムEXPOを機に、海外から訪れる旅行会社に常滑の魅力を体感してもらう取組

・インバウンド向け旅前情報の発信

・グルメライターやインフルエンサーによる情報発信

・ターゲットを絞ったSNS広告

 などでございます。

 そして今後、本市の観光振興をより効果的に進めていくために、4月から観光推進主体を一般社団法人とこなめ観光協会に一元化し、推進体制を強化いたします。

 空港への重要なアクセス道路となります西知多道路につきましては、引き続き、2027 年度(令和9年度)の供用開始を目指して、常滑市区間について県とともに整備を進めてまいります。

 空港代替滑走路の整備については、中部国際空港株式会社が、環境影響評価手続きの最終段階として、昨年12月に評価書をとりまとめ、公告・縦覧がなされました。

 また、事業の着工に必要な航空法に基づく施設変更の申請手続きは、開港20年目の節目となる2月17日に国土交通省から許可され、現地着工が可能となったところでございます。

 引き続き、第2滑走路の早期実現に向け、県、近隣市町など関係機関と連携しながら国への働きかけを強めてまいります。

 伝統的工芸品である常滑焼を、産業として次世代に継承していくため、関係団体と連携して、事業所における後継者の育成に対して助成します。

 物価上昇の影響を緩和するため、国の交付金を活用し、対象店舗で使える1人あたり1,000円分のクーポン券をすべての市民に配布します。

 また、子育て支援として、平成19年4月2日以降に出生したお子さんにはさらに1,000円分を配布します。

 新たな産業用地の創出については、令和5年度末に、西知多道路 (仮称)多屋インターチェンジ予定地周辺を優先検討地区として決定したところでございますが、市といたしましては、愛知県企業庁による開発を目指していることから、県の用地造成事業審査会の開発用件に沿った検討を進めます。

 最後に、基本目標の7つ目「みんなで創る、持続可能なまち」を実現するための主な事業を申し上げます。

 地域の伝統文化の保存や継承を促し、地域住民の交流促進を図るため、各地区へ一律50,000円を交付する地域づくり事業費を新設します。

 男女共同参画を推進する中で、女性の健康や尊厳に関わる重要な課題として顕在化している「生理の貧困」問題への対策として、経済的な理由等で生理用品を購入できない児童・生徒のため、小中学校の女子トイレに生理用品を設置します。

 住民基本台帳、税、児童手当、介護保険など20 の基幹業務システムについて、令和7年度末までに義務付けられている標準準拠システムへの移行を実施します。

 業務の生産性向上による市民サービスの質の向上を図るとともに、職員が働きやすい職場にするため、市役所及び保健センターの開庁時間を、令和7年5月からは午前9時から午後4時30分までに、令和8年4月からは午前9時から午後4時までに変更します。

合わせて、来庁しなくても手続きができるよう

・インターネットやLINE(ライン)で申請が完了する「行かない窓口の拡充」

・事前予約による「待たない窓口のスタート」といった取組みや、証明書発行窓口での「待たない窓口・書かない窓口」化のため、マイナンバーカードを使って簡単に証明書の交付ができる「『らくらく窓口』証明書交付端末」を導入します。

 また、コンビニでの証明書交付の利用を促進するため、令和7年度1年間の期間限定で、住民票の写しなど市が発行する証明書の手数料を一律10円に減額します。

 既存業務の手順を可視化したうえで、業務の効率化を図るため、令和7年度は、窓口系の部署からモデルとなる課を設定し、集中的に見直しを行います。

限られた経営資源を最大限活用し、効果的な行財政運営を進めていくため、公共施設の適正な維持管理を行い、老朽化した施設を計画的に修繕し、長寿命化を図ります。

今年度は、

・常滑中学校北館、西館の長寿命化改良工事

・市体育館の大規模改修工事

などを実施します。

 一般会計への繰り出しにより市の財政に大きく貢献しているボートレース事業については、GⅠレース「72周年記念競走」、「東海地区選手権競走」、GⅡレース「レディースオールスター」が予定されております。

 また、新たにYouTube番組をスタートし、20歳から30歳代の若い世代も取り込みながら、さらなる売上向上を図り、一般会計への繰り出しを確保してまいります。

 以上、第6次総合計画の「7つの基本目標」に沿って、令和7年度の「主な事業」をご説明申し上げました。

 「第6次常滑市総合計画」は、令和7年度から、計画の最終年度である令和10年度に向けた後期期間になります。

総合計画に定めた目指すまちの姿「とことん住みたい 世界とつながる 魅力創造都市」の実現に向けてスパートをかけてまいります。

 そして、「安全」「安心」で、「成長」を実感でき、すべての市民の皆様に、ずっと住み続けたい街「ずっと常滑。」と思っていただけるよう、「不断の努力」で、各事業に取り組んでまいります。

 最後になりましたが、今後の市政運営につきまして、市民の皆様並びに議員各位の格別のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、わたくしの施政方針とさせていただきます。

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