図書館の今後の方針について

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ページ番号1003886  更新日 令和5年5月9日

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令和元年度に定めた図書館本館機能の分散移転に関する方針です。方針を決定した令和元年度時点での内容を掲載しています。

図書館の今後の方針を定めました ~耐震診断結果を踏まえて~

常滑市立図書館本館は、昭和45年に開館して以来、50年近く皆様にご利用いただいてきましたが、施設や設備の老朽化が著しく、長期的に利用することが困難な状況です。また、耐震性にも問題があることが分かりました。そこで、図書館について、今後の基本的な方針を定めました。図書館本館の現況や課題と合わせて、皆様にお知らせします。

図書館本館の現状と課題

(1)昭和45年の建設以来、大規模な改修をしていないため、施設や設備の老朽化が著しく進んでいます。安全性の確保や快適な環境の提供が難しい状況です。

(2)平成27年度に実施した構造体耐久度調査の結果、コンクリートの劣化が激しく、残りの耐用年数が20年に満たないことが判明しています。

(3)平成30年度に耐震診断を実施した結果、2階の耐震性が不足していることが分かりました。また、1階も不特定多数の方にご利用いただく公共施設として望ましい耐震性は確保できていないことが分かりました。

(4)市の財政状況から、当分の間は、新しい図書館を整備することが困難です。

図書館本館の基本的な方針

(1)移転新築する新庁舎内に「こども図書室」を整備します。

(2)本館の一般書は、青海分館(青海公民館内)と南陵分館(南陵公民館内)に分散移転します。

(3)現在の青海分館を、「本館」とします。

(4)現在の本館建物は早期に取り壊します。

(5)15年以内に新たな図書館を整備することを目指し、他施設との複合化の検討を進めます。

今後のスケジュール

令和元年度   新庁舎(こども図書室)実施設計・建設工事開始

令和2年度    青海・南陵公民館への移転準備

令和3年度    図書館本館・分館を休館、移転作業の実施、本館・分館の再開、こども図書室供用開始

Q&A

Q1.耐震補強をすれば継続して使えるのではないか?

A1.外壁などの建物自体の老朽化と、空調・給排水などの設備の老朽化が著しいため、耐震補強工事だけでは安全に建物を使用することができず、安定的な図書館運営ができません。

Q2.耐震補強と、老朽化した施設・設備の全体的な大規模改修をすれば継続して使えるのではないか?

A2.両方を実施すれば短期的には使用できますが、コンクリート自体の残り寿命が短く、中長期的に安心して使い続けることができません。

Q3.建替えはできないのか?

A3.給食センターの整備など、直近で大きな事業が予定されており、市の財政状況から早期の建替えは難しいと考えます。

Q4.(1)耐震補強・大規模改修を実施した場合、(2)今回の方針(案)のとおり分散移転した場合のそれぞれの経費は?

A4.それぞれ次のとおり見込んでいます。(1)約4億5千万円、(2)約2億円

Q5.新庁舎内のこども図書室の概要は?

A5.新庁舎1階の市民交流ゾーンに整備する予定で、新庁舎の実施設計と合わせて詳細を決定します。広さは200平方メートル程度の予定で、絵本や児童書を中心に整備します。レイアウトやコンセプト、運営方法などを一緒に考え、サポートしてくださる方を8月23日(金曜日)まで募集しています。(図書館サポーターの募集は8月23日をもって終了しました。)

Q6.学習室や展示室がなくなってしまうが、代替施設はあるのか?

A6.公民館や市民文化会館など既存の施設をご利用いただけるよう環境整備を行います。

Q7.青海公民館や南陵公民館に行く交通手段がない人への対応は?

A7.常滑地区の既存の公共施設などに、予約貸出・返却窓口の設置を検討します。


 

説明会を開催しました

今回の方針(案)についての説明会を令和元年6月27日(木曜日)、7月20日(土曜日)に開催しました。

説明会資料

説明会でのQ&A

説明会での主な質問と回答は次のとおりです。

現在の図書館の利用状況などについて

Q1.現在の図書館の利用層はどのようになっているのか?

A1.平成30年度に1冊以上本を借りた人は6,697人で、60歳以上が最も多く、1,598人です。次に40歳から49歳までが1,342人、30歳から39歳までが1,081人で、親世代の年代の人の利用が多くなっています。7歳から12歳のこどもは4番目に多く、1,075人でした。60歳以上の利用が最も多くなっていますが、次いで親子での利用が多く、今回のこども図書室の新設は、こどもの利用の充実を目指したものです。

Q2.現在、図書館に年間でいくらの費用がかかっているのか?

A2.図書館の指定管理料として、年間で8,174万7千円かかっています。

図書館本館の耐震診断結果について

Q3.耐震性に問題ありとした根拠は何か?

A3.平成30年度に耐震診断を実施した結果、耐震指標Is値が、2階の東西方向で0.44、1階の東西方向で0.71でした。国土交通省の告示(「建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための基本的な方針」別表第六)により、Is値が0.6以上の場合は「地震の震動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が低い」とされていますが、図書館本館2階はこの基準を下回っていて、「倒壊し、又は崩壊する危険性がある」との結果でした。また、公共施設は災害対策の拠点となることや多くの人が利用することから、施設の用途によって耐震安全性の割り増しが必要とされ、社会教育施設である図書館においてはIs値0.75が基準となっています(国土交通省「官庁施設の総合耐震・対津波計画基準」)。この基準に照らすと1階も耐震性が不足しています。

Q4.東西方向と南北方向で耐震性に大きな差があるのはなぜか?

A4.壁が少ない方向では耐震性が弱くなるため、窓が多く壁が少ない2階の東西方向のIs値が低くなっています。

Q5.耐震性のない2階を閉鎖して、1階を引き続き使用することはできないのか?

A5.地震で2階が崩れた場合には1階も崩れる可能性が高いため、1階だけを引き続き使用することはできません。

今回の方針について

Q6.図書館よりも給食センターや小中学校の方が優先順位が高いのか?

A6.施設の老朽度や利用状況、維持コスト、代替施設の有無、施設目的などを元に総合的に優先順位を判断しています。老朽化が激しい給食センターについては、代替施設がなく、保育園から中学校まで配食していることから、利用ができなくなった場合の影響が著しく大きいこと、食の安全を守らなければならないことから最優先としました。小中学校については、全校耐震化はしているものの、施設の老朽化が問題となっており、市内のこどもの人数も当分の間は減少傾向にないことから、長寿命化を順次進めていきます。一方、図書館については、本館以外に分館が2か所あること、広域連携により近隣市町の図書館も利用可能であることから、今回の方針としました。

Q7.小中学校の空き教室は図書館として利用できないのか?

A7.常滑地区はこどもの数が減少しておらず、活用できる空き教室がありません。

Q8.旧常滑高校は図書館として利用できないのか?

A8.旧常滑高校は県有財産のため、愛知県が活用の検討を進めている最中です。県が利活用する際は、地元の活性化・発展に繋がるよう、説明会でいただいたご意見も含めて県に伝えました。

Q9.図書館の学習室と同じように落ち着いて学習できる環境を、市民文化会館・中央公民館で用意することができるのか?

A9.現段階では代替としてどの部屋を利用していただくかは未定ですが、市民文化会館の練習室は防音なので静粛性を保つことができると考えています。利便性や管理方法などを総合的に考慮して決めていきます。

Q10.青海公民館が図書館本館となった場合、北部バスは停まるのか?

A10.北部バスを所管する安全協働課と調整して、停留所を設置できるよう検討します。

Q11.本館には現在何冊の本があるのか? 青海分館と南陵分館には何冊持って行く予定なのか?

A11.本館の一般室には、現在約6万冊の一般書があります。そのうち青海に2万1千冊、南陵に1万8千冊を移動させ、残りの2万1千冊は閉架又は除籍となる予定です。

Q12.どの本を除籍するのか取捨選択が必要となる。指定管理者の知恵も入れ、将来を見据えた方針とする必要があるのではないか?

A12.常滑市の図書館としてどうあるべきかを踏まえた基準づくりが必要と考えます。指定管理者と協力しながら計画します。

Q13.青海公民館と南陵公民館のホールに置く児童書は、盗難の心配はないのか?

A13.盗難対策の具体的な案は現在検討中ですが、公民館スタッフの協力も得ながら、より良い方法を検討します。

Q14.谷川文庫など、閉架書庫に入る本の温度や湿度の管理は大丈夫なのか?

A14.閉架書庫には空調を入れて管理をします。

Q15.こども図書室や中央公民館で、一般書の予約貸出、返却、蔵書検索ができるようにならないか?

A15.こども図書室は、一般書の予約貸出や返却ができるようにします。また、蔵書検索の端末も設置する予定です。中央公民館でも予約貸出、返却ができるよう検討します。インターネット接続すれば蔵書検索が可能なため、中央公民館へのネット環境の整備もあわせて検討します。

Q16.現在の本館では、こどもが1階で本を選んでいる間に親は2階で一般書を選ぶことができるが、こども図書室ではそのようなことができなくなるのか?

A16.こども図書室には、育児などの一般書も一部置く予定ですが、児童書を中心に配置するため一般書は限られた数しか置けません。予約した本の受け取りや返却はできるようにします。一方で、青海・南陵の分館については、児童書も一般書も両方閲覧でき、現在よりも蔵書数が充実します。

Q17.青海・南陵の分館や新設されるこども図書室には、読み聞かせやお話し会ができるようなスペースはあるのか?

A17.青海・南陵の分館では、児童書を置くホールにスペースを確保する予定です。こども図書室については、今の本館児童室よりも読み聞かせスペースを拡大する予定です。また、こども図書室のとなりに市庁舎の会議室を整備する予定のため、空いているときには会議室も利用して読み聞かせやイベントを行うことができると考えています。

Q18.図書館本館の取り壊しには費用がいくらかかるのか?

A18.他の事例を参考にすると、1億円程度かかる可能性があります。

Q19.現在の図書館本館を閉館して浮いた費用はどのように使う予定なのか?

A19.図書館本館にかかっている光熱水費、清掃費、施設保守管理費など、870万円程度が浮いてくると見込んでいますが、児童書を置く公民館ホールの空調費や分散することにより生じる運搬費、こども図書室の保守管理費などの経費に充てる予定です。

Q20.常滑には谷川文庫や鈴渓義塾の資料など貴重な資料が存在しているので、もっと市民に周知すべきではないか?

A20.方法を工夫して、谷川文庫や鈴渓義塾についての資料を紹介できるようにします。

Q21.本を移動させるのには、どのぐらいの期間がかかるのか?

A21.3カ月程度かかる見込みです。

Q22.移動図書館の導入はしないのか?

A22.過去に導入していた移動図書館「あおぞら号」は、本館しかなかった昭和46年に運用を開始しましたが、分館を整備したことにより役割を終えました。今回の方針により現在の本館が使えなくなり、特に常滑地区の方には不便をおかけしますが、こども図書室や中央公民館で予約本の貸出や返却ができるよう整備することとし、移動図書館を再導入する予定はありません。

10~15年後に整備を目指す複合施設について

Q23.10~15年後にはネット環境や電子媒体など世の中の環境が大きく変化していると思うが、どのように考えているのか?

A23.現段階でも電子書籍が普及してきており、10~15年後にはさらに環境が変化していくと考えられます。複合施設の新図書館については、今後の環境やニーズの変化を見極めながら、より良いものになるよう検討を進めていきます。

Q24.15年先は財政状況が不明な中、市民文化会館・中央公民館との複合化は必要なのか?

A24.複合化することにより、ロビーやトイレなどを共有することで延床面積を減らし、建設費や維持管理費を抑えることができます。また、各施設の利用者間で新たな交流が生まれ、利用者の増加や活動の活発化・発展が期待できます。長期的な視点に立ち、ニーズに沿った効率的・効果的な文化施設のあり方を今後市民の皆様と考えていきます。

Q25.複合施設の場所はすでに決まっているのか?

A25.複合施設をどこに建てるかは、まだ決まっていません。今後、市民の皆様の意見を聞きながら検討していきます。

Q26.令和8年度から複合化に向けた検討を開始するというのは遅すぎるのではないか?

A26.関係団体との調整や検討は、令和8年度よりも前から順次進めていきますが、具体的に詳細な検討に入るのは、令和8年度頃からを予定しています。

Q27.知多5市5町で情報の共有はしているのか? 他の自治体の良い事例を参考にしてほしい。

A27.知多半島内の図書館担当者の集まりを定期的に実施し、互いの良い事例を共有しています。また、他市町への視察なども行っています。今後も情報の収集に努め、先進事例などを参考にしていきます。

 

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このページに関するお問い合わせ

教育委員会教育部 生涯学習スポーツ課
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